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木造建築の教育施設

教育施設の中でも、幼児施設(保育園・幼稚園・認定こども園など)について取り上げていきます。大規模木造は、幼児施設に求められる設計に対応可能です。他の建築構造ではコストや工期に対応できない場合、大規模木造は、有効な選択肢といえるでしょう。

大規模木造が幼児施設に適している理由として、「工期が短いため補助金事業に対応しやすい」「耐火建築物・準耐火建築物に対応しやすい」「木造建築は人や環境に優しい」が、挙げられます。

木造の教育施設のメリット

木造の教育施設は、子どもたちが長時間過ごす空間として、多くのメリットがあります。木材は熱を伝えにくいため、冬場でも床や壁が冷たくなりにくく、快適な室内環境を維持しやすい点が特徴です。また、木が持つ調湿効果によって、室内の湿度を一定に保ちやすく、結露やカビの発生を抑える効果も期待できます。

さらに、木の香りや質感にはリラックス効果があるとされており、園児や児童が安心して過ごせる温かみのある空間づくりに適しています。近年では、地域産材を活用した木造施設も増えており、地域資源の循環や環境負荷の軽減にもつながっています。

加えて、大規模木造は鉄骨造やRC造と比較して建物重量を抑えやすいため、地盤条件によっては基礎工事の負担軽減が期待できます。プレカット加工やCLT工法を採用することで施工効率も高まり、短工期で建設しやすい点も教育施設との相性が良い理由の一つです。

木造の教育施設を建設する際の関連法規について

木造で教育施設を建設する際は、建築基準法や消防法などの関連法規を踏まえた計画が必要です。特に、学校・幼稚園・保育所などは、多くの子どもたちが利用する用途であるため、安全性に関する基準が厳しく定められています。

建築基準法では、建物の規模や用途、立地条件によって「耐火建築物」や「準耐火建築物」とする必要があります。近年は、木造でも耐火性能を確保できる技術が進歩しており、耐火被覆や燃えしろ設計、CLTパネル工法などを活用することで、大規模な教育施設にも対応可能です。

また、教育施設では避難安全性の確保も重要です。非常用進入口や避難経路、排煙設備などについても法規に基づいた設計が求められます。さらに、自治体によっては木材利用促進条例や補助制度が設けられている場合もあるため、地域ごとの基準確認も欠かせません。

木造の教育施設を計画する際は、木造建築に精通した構造設計事務所や施工会社へ相談し、法規・コスト・デザインを総合的に検討することが重要です。

木造建築の教育施設の事例1

木造の小学校

浅田設計室が携わった「日根野小学校(泉佐野市立)増築工事」では、製材を使用した木造在来軸組み工法で増築しました。当初は、鉄骨造の要望でしたが、文化財の関係で基礎を深くできないため、木造になりました。建物の共用部となるテラスを3つの教室の中間に設け、各教室からのインターセクションとし、子供達の交流の場としました。使用した構造材はすべて製材です。形状は非常にシンプルですが、仕口が複雑なため、大工の「手刻み」で加工しました。

木造建築の教育施設の事例2

木造の桐朋学園音楽ホール

CLTパネルをデザイン・構造・音響に利用して建築された、桐朋学園の音楽ホールです。屋根や壁にCLTを利用しており、長さ方向は17メートルの大スパンを実現。広々とした設計となっています。内部は全体的に木目が見える木の質感を楽しめる構造。外観を囲うような柵状の木材利用で、温かみとモダンな雰囲気が調和したデザインとなっています。

木造建築の教育施設の事例3

木造の認定こども園

園舎棟にCLTを利用した軸組み工法からなる認定こども園です。玄関ホールと廊下を現しにすることで、迫力ある吹き抜けの空間としていることが特徴の一つ。また、現しに直接、照明器具をつけることで、木材の質感がより強調されるデザインとなっています。また、大遊戯室棟の壁と屋根は、地元市産の杉を使用したCLTパネルが使われており、地元産業にも貢献する造りになっています。

木造建築の教育施設の事例4

木造の高知学園大学校舎

高知学園大学にあるCLTを使った3階建ての校舎です。巾2.2メートル、高さ約11.5メートルという大判なCLT素材を使い、3階の壁を1枚の壁で自立させている珍しい造りになっています。外観、内部共に木の質感が強調されたデザインになっており、木材のもつ優しさが感じられます。

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