木造の宿泊施設には、建物を外観から見ても美しく、旅館周辺の自然に溶け込むような光景が見られ、海外では感じられない日本ならではの宿泊施設として、外国人にも人気になっています。
木材を使用することで、優れた調湿効果が見込め、人間の五感に響く魅力があります。
「KATADA Lodge&Villa」は、三重県津市の丘陵にある津カントリー倶楽部の18番ホール脇に建っており、ツインルームが4室あるロッジ棟、食事や団欒を楽しむラウンジ棟、18番ホールの眺めを楽しめるヴィラの3棟で構成されています。外壁には、岐阜県加子母村産のヒノキを使用し、建具はすべて木製です。また、家具の材料は、木、紙、土、草などの自然素材を厳選したものとなっています。室内に使用する木の分量と配置を吟味することで、行灯の中に佇んでいるような感覚になります。
「shima blue」は、群馬県北部にある温泉地四万温泉で、シマブルーという名前で知られている宿泊施設です。建築構造は、在来工法による木造軸組となります。ガラス張りにより周りの自然との一体感や解放感が感じられる造りになっています。大自然の集落を思わる分棟形式の宿泊施設は、プライベート感を存分に感じられる特別な空間に仕上がっています。
京都嵐山の温泉旅館は、すべて木造で、温泉露天風呂付特別室である『はなれ』を設計しています。海外の方々も楽しめるように、インテリアは純和風ではなく、モダンテイストを織り交ぜた和モダンとなっています。
「星野リゾート BEB5軽井沢」は、2階建ての木造建築で、辺環境と呼応するように配置されたV字の中庭空間が印象的です。敷地は森林に囲まれ、豊かな水資源に恵まれる一方で、地盤が軟弱なため、地盤改良に多額の費用が掛かるなど、コスト面から木造が選択されました。このホテルは、若者が気軽に宿泊できる場所としての機能を求められていたので、大スパンの空間は不要で、3,400㎜ピッチで柱を配置することで、小断面の構造材でも構造的な安定を実現しました。
大規模木造建築に対応する構造設計事務所のうち、対応できる工法の種類が豊富な3社をご紹介します。
工法の種類が多いということは、それだけ叶えられる意匠の幅が広いということ。
各事務所の“強み”にも注目して、相談先を探しましょう。
※対応工法例は、公式HPに表記のある工法のみを記載しています。
※選出した3社は2022年2月7日調査時点で「木造建築構造設計」というキーワードでGoogle検索し表示された木造建築に対応する31社の中から、大規模建築に対応する22社を抽出し、その中で公式HPに記載された工法が多い3社を選定しています。