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中大規模木造の工期について

中大規模木造で施設や店舗を建てる際、全体スケジュールを把握して計画を立てたい発注者や担当者もいらっしゃるでしょう。本記事では、工期の目安や他構造との比較を解説。工期を左右するプレカット加工の重要性にも触れています。

中大規模木造の工期はどれくらい?

着工から引き渡しまでの一般的な目安

本記事における工期は、着工から引き渡しまでの期間です。中大規模木造の工期は、建物の用途・規模・防耐火仕様・敷地条件によって大きく変わります。

実例を見ると、延床約1,000㎡の木造3階建て事務所・倉庫で、2024年12月着工〜2025年8月竣工、つまり着工から竣工まで約8〜9カ月の事例がありました※1。また、延床約1,186㎡の木造ロードサイド店舗では、フレーミング工事が2022年7月〜8月に行われた事例もあります※2

ただし、これらはあくまで個別事例です。同じ木造でも設計内容や確認申請、木材調達、防耐火仕様によって必要期間は変わります。

※1参照元:三井ホーム公式HP(https://news.ielove.co.jp/56699/)
※2参照元:三井ホーム公式HP(https://www.mokuken.mitsuihome.co.jp/example/50)

設計・確認申請を含めるとさらに期間が必要

着工前の設計や確認申請、発注調整には別途数カ月かかる場合があります。中大規模木造では高度な構造計算や防火要件の確認が求められるためです。計画開始から竣工までの全体スケジュールには十分な余裕を持たせる必要。事前の周到な準備と早期の合意形成が、プロジェクトの進行をスムーズにします。

中大規模木造の工期を左右する主な要因

木材調達とプレカット加工の早期手配

あらかじめ工場で木材を加工しておく仕組みを取り入れることで、現場での切断作業を省き、効率的に作業を進めることが可能です。現場での施工の手間を削減できるため、全体の工期短縮に貢献します。

注意点として、事前の加工には一定の期間が必要です。手配が遅れてしまうと、かえってプレカットの工程自体が全体のボトルネックになります。

構造計画・法規対応などの影響

プレカット手配をスムーズに進めるには、構造計画や設計図書を早期に完成させることが重要となります。精度の高い加工図面を作成するためには、建物の納まりや法規要件があらかじめ確定していなければならないからです。

構造の詳細が固まらないまま進めると、後から手戻りが発生し、結果として工期の遅れを招きます。設計者と施工者が緊密に連携し、初期段階から詳細な計画を練り上げる体制づくりが欠かせません。早い段階で設計図書を完成させることで、手配の遅延を防ぎ、スムーズな現場運営に繋がります。

S造・RC造と比べた中大規模木造の工期の特徴

RC造と比べた場合の特徴

木造はRC造と比較して現場工期を短縮しやすい傾向があります。RC造では躯体コンクリートの打設後に養生期間が必要となる一方、木造は上部構造にその工程がないためです。施工期間の短縮により、足場などの仮設費や現場管理費を抑制できるため、全体的な建設コストの削減に寄与するでしょう。施設を早く完成させることで、早期稼働による収益化も期待できます。

S造と比べた場合の特徴

S造も工場加工を伴うプレファブ性が高いため、木造と同等程度の短工期が実現可能です。ただ、木造は部材が軽いため、大型重機への依存度を抑えられる利点があります。狭小地や搬入制限がある敷地でも施工を円滑に進めやすくなるでしょう。部材の組み立て作業も比較的容易に進行します。木材調達や施工を見据えた確実な構造設計が、スケジュールの安定に効果的です。