このページでは、意匠設計のイメージを膨らませるために、木造建築の事例を提示していきます。さまざまな事例の詳細を確認することで、意匠のイメージを膨らませていきましょう。
ここで取り上げるのは、福祉施設、教育施設、公共施設、ホテル、店舗からなる5種類の施設です。それぞれの施設に対して、4つの事例を取り上げていきます。どのような建物に対して、どの工法を採用して建てているのか、木材はどのようなものを使用したのか、などを確認していきます。
福祉施設、特に高齢者施設を木造で建てると、建設コストが安くなり、補助金事業に対応しやすいメリットがあります。また、空間の可変性が高い建築が実現でき、大断面部材を用いた大スパンも実現可能です。さらに、耐火・準耐火も木造で対応できます。
大規模木造は、「工期が短いため補助金事業に対応しやすい」「耐火建築物・準耐火建築物に対応しやすい」「木造建築は人や環境に優しい」など、他の建築構造では対応できないことも可能であり、教育施設の設計に適していると言えます。
公共施設を木造にするメリットとして、持続可能な開発目標(SDGs)・カーボンニュートラル実現(脱炭素社会)・ESG投資に対応できることが挙げられます。木造でも耐火建築物や4階建て、混構造に対応可能。JAS構造材など品質が安定している材料をつかうこともできます。
海外では感じられない日本ならではの宿泊施設として、建物を外観から見ても美しく、旅館周辺の自然に溶け込むような光景が見られる木造の宿泊施設は、外国人の人気を集めています。優れた調湿効果が見込め、人間の五感に響く魅力が、木材にはあるのです。
木造は、特注材以外は一般流通材を活用しているため、供給が安定しコスト変動は小さくなります。さらに、プレカットされた規格部材を現場で組み上げて、工期の短縮が可能となるため、低コスト・工期短縮が求められる店舗では、木造建築は適していると言えます。また、意匠次第では、注目を集めることも可能です。
大規模木造建築に対応する構造設計事務所のうち、対応できる工法の種類が豊富な3社をご紹介します。
工法の種類が多いということは、それだけ叶えられる意匠の幅が広いということ。
各事務所の“強み”にも注目して、相談先を探しましょう。
※対応工法例は、公式HPに表記のある工法のみを記載しています。
※選出した3社は2022年2月7日調査時点で「木造建築構造設計」というキーワードでGoogle検索し表示された木造建築に対応する31社の中から、大規模建築に対応する22社を抽出し、その中で公式HPに記載された工法が多い3社を選定しています。