木造建築における大断面工法について説明します。まず、大断面工法とはどのような工法なのか、構造材の種類や使用方法などの説明と併せて、その詳細をみていきます。さらに、大断面工法を使用すると、どのようなメリットがあるのか、また、どのような建物によく使用されているか、について取りあげていきます。
最後に、さまざまな工法やつくりに対応している中で、大断面工法に対して実績のあるオススメの構造設計事務所を確認しましょう。
大規模木造建築で
様々な工法に対応できる
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大断面工法とは、断面が広い集成材を、柱や梁に使用する工法です。大断面集成材は、他の材料では難しい自由曲線を描くことで、設計に従って要求される寸法・形状・性能に合わせて製造できるという特徴があります。
長尺材、アーチ材、3次元材のような任意のデザインが可能であり、構造計算により強度を均一にして製造することができます。大断面集成材は、十分に乾燥させたひき板を接着することで、製造後の狂いを少なくなり、断面寸法は安定するのです。
大断面工法で使用する大断面集成材は、優れた強度性能、耐火性能、耐久性等を持っています。木材は火災で表面が燃えて炭化しますが、3~4cmの炭化層ができるとそれ以上は炎が内部に入りません。大断面集成材を使用することで、火災が発生しても、表面の炭化に留まり、大部分の木材は、健全な状態を維持し、設計荷重の支持に影響を及ぼさなくなります。
また、大断面集成材は、断面寸法が大きく加工性に優れているため、勾配天井やデザイン化されたトラスを使用した豊かな内部空間を作ることができます。
本サイトでは、大断面工法に対応している構造設計事務所を複数ご紹介しています。会社ごとに各工法や大中規模、住宅、非住宅など、主に扱っている案件によって得意な分野がある場合が多いので、対応する案件に適した特徴を持っているかを確認しながら探しましょう。
意匠設計の意図をしっかり汲んだ構造設計に対応してくれるか否かも大きなポイントです。また、木造建築の経験則を多く持っていることや、意匠を実現するための技術を持っていることも重要なところ。技術は対応できる工法数が多い構造設計事務所がおすすめです。
大規模木造建築に対応する構造設計事務所のうち、対応できる工法の種類が豊富な3社をご紹介します。
工法の種類が多いということは、それだけ叶えられる意匠の幅が広いということ。
各事務所の“強み”にも注目して、相談先を探しましょう。
※対応工法例は、公式HPに表記のある工法のみを記載しています。
※選出した3社は2022年2月7日調査時点で「木造建築構造設計」というキーワードでGoogle検索し表示された木造建築に対応する31社の中から、大規模建築に対応する22社を抽出し、その中で公式HPに記載された工法が多い3社を選定しています。