公共建築物の木造率が上昇しているのに対し、民間建築物では、非住宅分野や中高層建築物の木造率が低位にとどまっている現状を鑑み、2021年10月1日に、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されました。
このように持続可能な開発目標(SDGs)の推進を背景に、国や自治体が木造建築を推奨しているため、補助金・助成金を出している場合があります。
補助金も助成金も、国や地方公共団体から支給されるお金です。財源は公的な資金から捻出されるため、申請や審査が必要になります。そのうち、助成金は一定の様式に従って申請し、要件を満たせば原則給付されます。
対して、補助金は採択件数や金額があらかじめ決定しているものが多く、1ヵ月程度の公募期間を設けるのが一般的です。この期間内に所定の書類を揃えて申請する必要があり、申請しても必ず受給できるわけではありません。
過去には林野庁が実施主体である「令和3年度 CLT活用建築物等実証事業」という補助金がありました。この事業では、普及性や先駆性が高いCLT建築物の設計・建築等の実証について提案を募り、建築費等の事業経費や地域協議会の運営費に対する補助金を支給するものです。
また、助成金の例では、中大規模木造で活用できる助成金として、「JAS構造材個別実証事業」「過剰木材在庫利用緊急対策事業」などがあります。特に助成金は比較的手間をかけずに給付を受け取ることができるので、積極的に応募しましょう。
2020年3月17日付の国土交通省からの資料「木造建築物の振興施策」によると、サステナブル建築物等先導事業において、「多様な用途の先導的木造建築物への支援」「実験棟設備への支援と性能の検証」の補助金が、調査設計費や建設工事費の名目で投入されています。
また、中規模木造庁舎を、軸組構法およびCLTパネル工法で設計する際のプランが提示されています。中規模木造庁舎の試設計例のポイントは、「建築計画」「構造計画・設計」「コスト検討」です。
東京都内の民間の中・大規模建築物(オフィスビル・商業施設など)において、主要構造部に国産木材、そのうち「多摩産材」を3割以上使用することで、木造・木質化を促進する支援制度です。
支援内容は、「実施設計段階(設計支援)」と、「実際の工事段階(工事支援)」に分かれており、設計では設計委託費の2分の1以内を補助、工事では木質化に係る経費の2分の1以内、または建築工事費の15%以内が補助の対象です。
対象は延床500㎡超または階数4以上等の条件を満たす建築物で、都内に所在し住宅部分を除く民間施設が原則です。国・自治体など公共部門は対象外となります。
対象となる建築物は、都内に所在する民間施設(住宅部分を除く)で、延床面積500平方メートル超、階数4以上、あるいは耐火・準耐火建築物で階数3以上などの規模要件を満たす必要があります。
募集期限は、設計支援・工事支援ともに令和8年9月30日までとなっています。
参照元:東京都農林水産振興財団(https://www.tokyo-aff.or.jp/site/forest/33227.html)
林野庁により、CLT(直交集成板)を活用した建築物の設計・建築、または部材の性能実証等を対象とした補助事業です。非住宅用途・複数階建ての建築物を想定しており、住宅(特に一戸建て)は原則対象外。事業採択後は、実証内容として「他工法(例:鉄筋コンクリート造)との工事費や工期の比較」などを行い、CLT建築の利点・課題を明らかにする成果報告が求められます。
助成率は「事業経費の3/10または1/2」までの上限が設けられ、助成額の上限は「実証事業費および協議会運営費を合わせて1億円以内」とされています。
本事業の応募書類の受付期間は、令和8年3月6日から令和8年4月6日13時(必着)までとされています。
参照元:公益財団法人日本住宅・木材技術センター(https://cltjisshou.org/)
国土交通省が「2050年カーボンニュートラル」の実現を目指し、炭素貯蔵効果が高い中・大規模の木造建築物や、木造化に係る先導的な設計・施工技術の導入プロジェクトを支援する制度です。
対象プロジェクトは「普及枠」と「先導枠」に分かれており、普及枠では木造建築物の一般的な普及を、先導枠では防火・構造等で革新的な取組を実施するものを想定しています。補助率・上限額は枠により異なります。
普及枠では設計費を木造化に関する費用の1/2以内、工事費を木造化による掛増し費用の1/3以内または建設工事費の7%以内、上限2億円。先導枠では工事費補助率1/2以内または10%以内、上限3億円です。
参照元:優良木造建築物等整備推進事業 評価事務局(https://yuryo-mokuzou.mlit.go.jp/07/summary/)
東京都内で国産木材を用いて構造木質化(防耐火構造による木材利用)を図る建築物のために、建築基準法に基づき国土交通省大臣の認定を取得する際の性能評価手数料等の費用を、都がその半額(2分の1)まで補助する制度です。対象は延べ床面積500㎡以上で、都内に建築/建築予定の建築物と認定取得費用を負担する事業者となっています。
参照元:東京都都市整備局(https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/ryokuchi_keikan/mokushitsuka-suishin)